昇降口前の廊下には生徒会の企画だろうか、七夕用の笹が飾られていた。隣の机には何色かの短冊とペンが置かれており、「願いを書いて短冊を吊るそう!」と掲示がされている。
「志望校に合格しますように」といった進学校らしいものから「彼女ができますように」という切実なもの、果ては「世界が平和になりますように」なんていう大それたものまで、様々な願いが色とりどりに笹を彩っている。
その中でも一際目立つ位置に括り付けられていた短冊に夏紀の目は吸い寄せられた。
「全国金を獲る!」
その字を見た瞬間、誰が書いたものか分かった。
願い事ではなくて宣言になっているのがなんとも優子らしい。夏紀はふっと一人微笑み、しばらく逡巡したあとペンを手にした。
「みんなと」とだけ記した短冊を優子の願いにそっと絡ませると、夏紀は小さく頷き、その場を後にした。
優子の願いと
七夕に願いを込めてー